番外編-生ごみの知識
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ディスポーザー(台所のシンク下に取り付けて砕いて流す米国生まれの生ごみ処理機のお話)


アメリカでは70年も前から作られていて普及率も60%に迫るのに日本で少ないのはなぜ?

 この生ごみ処理機ディスポーザーは、典型的な非関税障壁による規制された商品だと言えます。そのため積極的に使うべきものだという感覚はまだない方が多いようです。
 たびたびこの生ごみ処理機を好ましくないと考える方から次のように言われることがありますが、まったくの間違いです。
「日本はアメリカと配管の規格や基準が違う」
日本はアメリカをまねているのでまったく同じです。配管は砂を運ぶ流速60cm/秒で流れるように設計・施工されています。ですから、施工不良が無ければディスポーザーの使用には問題はありません。屋内配管も下水道の配管も同じです。
「排水処理ができない」
後にも説明するように生ごみに多く含まれる炭素が増えることで排水処理をするバクテリアが育ちやすくなり排水処理がうまくいきます。汚れをあらわす指標の一つBOD値は、普及率が100%程度(こんなに増えるまでは何十年もかかりますが)で30%程度増えますが、排水処理の効率は大変あがることになります。要するに水がきれいになるのです。

ではなぜ、このようなうそが当たり前のように流通したのでしょうか?

 もともとは、日本の下水道の処理施設が東京、大阪、名古屋などの大都市の一部にしかなく普及率も20%程度の低い時代に、下水道普及率の高い米国から来たディスポーザーは下水道事業の邪魔者でしかありませんでした。この時代の下水道は、排水処理というよりも雨水を流す災害対策事業の側面が強かったのです。そこで旧建設省の下水道部は、法律は無いけれども全国的にディスポーザーは「自粛すること」と指示を出しました。最近問題になっている、いわゆる裁量行政(法律に基づかないのに行政組織が法律のように振舞うこと)です。そして松下電気産業や日立などの大手家電メーカーに製造を中止するように圧力をかけて今日に至っています。すでに下水道の普及率が70%を超え都市部については100%近い現状ではディスポーザーを各自治体が導入しないことこそ人々の暮らしを大きく損なう段階ではないでしょうか?

その間アメリカでは・・
 この間、米国では生ごみ処理機ディスポーザーは、生ごみを安価に衛生処理する手段として、多くの市町村が採用しました。町中に設置を義務付けて罰則(例えば、デトロイトでは生ごみを持ち歩くと500ドルの罰金か90日以内の禁固刑になる!)を設け細菌やウイルスを媒介するねずみやゴキブリなどを排除した結果、ポリオウイルスの蔓延を防ぐのに大きく貢献するまでになったと記録されています。とりわけカリフォルニアなどの暖かい州の普及率は80%を優に超えています。
 SARSや鳥インフルエンザなどの新たな細菌やウィルスが世界的な流通の発達に伴い簡単に国内に持ち込まれる今日では、この視点は重要でしょう。このためには、レストランなどを含め地域全体にディスポーザーを下水道と組み合わせたシステムとして取り入れえることが重要になります。
 キッチン内での手軽な分別、下水道による安価な輸送コストとバクテリアによる安価な処理、処理後のコンポストの利用などの社会的な仕組みがうまく発達してきました。生ごみとし尿と一緒に処理するととてもうまく排水処理ができることは何十年も前からわかっていることです。(炭素と窒素、リンの比率が排水処理をするバクテリアの繁殖にとって理想的な比率に近づくためです。)
 アメリカでは年間500万台も生産されているので、設備会社が取り付ける設備品からDIY(Do It Yourself)商品となっています。当初は条例でマンションに最初から付いている設備品だったものがホームセンターで買ってきて自分で取り付ける商品に変わってきているのです。そのため軽くて取り付けやすい商品が人気です。

アメリカのメーカーと機器
 過当競争の結果、アメリカには家庭用ディスポーザーメーカーは、エマソンエレクトリック社のISE事業部とアナハイム・マニュファクチャリング・カンパニー(AMC)社の2社でほとんどを占め、それぞれのシェアは70対30くらいでしょう。エマソン社は巨大な家電メーカーでISE社を買収して事業部としました。ISEは昔ながらの生ごみ処理機ディスポーザーを作っており設備品ルートに強い会社です。アナハイム社は比較的新しく高トルクのモーターを持った軽くて設置しやすい製品により急激にシェアを獲得し生き残っている会社です。主にホームセンターやスーパーなど小売ルートに強みを持ちます。ゼネラルエレクトリックなど大手の家電メーカーにOEM(相手先のブランド)で製品を供給しています。
 しかしアメリカのディスポーザー産業はすっかり成熟してしまい、最近では技術革新やより便利な製品開発はほとんど滞っています。その代わり安価で耐久性のある製品に満ちているともいえますが。
 ディスポーザーの種類には、連続処理方式と蓋スイッチ<方式とがあります。バッチ処理方式はより安全性を高めた蓋がスイッチになったタイプで米国内ではほとんどでまわらずイギリスで販売されることが多い製品です。大量のゴミ処理には連続方式が向いています。

日本の状況は・・いいのでしょうか??
 生ごみ処理機ディスポーザーに主に関わる国のお役所は、ごみと言うよりも排水処理に関わるお役所です。国土交通省の下水道部(これが年間兆単位の巨大な予算と権限を持ちます)、建物毎の排水処理(浄化槽など)の構造に権限を持つ住宅局、浄化槽などの維持管理に権限を持つ環境省の浄化槽推進室(予算はせいぜい100億円/年程度)、農林水産省農村整備課(農村集落排水事業)(予算は1500億円/年程度)が主なセクションです。
 この4つのセクションに**協会、財団法人**、社団法人**という外郭団体(今は独立行政法人と名前を変えていますが、実態は同じです。NPO法人なんていう組織も利用されています)とその下請けのファミリー企業、公共工事で仕事を配分されるゼネコン、サブコンといった建設会社や設備会社、産業機械メーカー、大学や学者の先生方などが強固なつながりを持って絡みついています。
 この中で圧倒的に大きな力をもつのが下水道部です。その力は都道府県、市町村の下水道課や下水道局、建設会社、設備会社などを予算により支配しています。
 現在、下水道普及率も実質的に100%に近づきつつありますので予算を維持する必要(別に不必要なのですが、勢力を維持するため)から排水をよりきれいな水に処理する高度化処理や下水道による生ごみ処理の受け入れ(これにより年間兆単位の予算がゴミ処理から下水道処理に回されるかもしれません)を高らかにうたう段階に入っています。北海道の歌登町での社会実験がその布石です。また下水道だけではなく農水省の農村集落排水事業でも魚津市東城地区など複数の自治体で実験がなされてきました。
 一方、東京を中心に都市部で下水道が完備していながら、ディスポーザー排水を専用に処理する浄化槽(ディスポーザーシステム)を設けた高層マンションも増えています。これは、高層住宅で生ごみを配管を使って衛生的に運搬・処理したい建築会社やデベロッパーの動きに国土交通省の住宅局と下水道部が折り合いを付けた結果生まれた仕組みです。
 この設備が付いたマンションを買う方は、おそらく浄化設備の建築費を含めると1戸当たり100万円近いお金を負担しているはずです。また月々の維持管理コストは設備の更新費までを入れると5000〜10000円/戸をくだらないでしょう。なぜなら下水の水の流れに乗せてただで運ぶか生ごみとしてそのまま捨てればいいものを、砕いて大量の水とともに汚泥(99%以上が水)という状態でストックしてそれを定期的にバキュームカーで引き抜き処理施設まで運んで処理するのですから。しかもこの汚泥と言う液状廃棄物を処理する施設は、都市部には清掃局の焼却炉しかありません。ということは実際は、大変なコストをかけて水を燃やしていることになります。では一体何のために建物内部に排水処理施設を設けなければならないのでしょうか?理解に苦しみます。
 購入された方は、ここまで生ごみにお金を費やしているとはおそらくご存じないでしょう。この設備が10〜20年たち補修したり機器を交換したりひび割れた箇所から臭気が漏れ出したときに初めて大きなコストを払っていることに気づくことになります。事情を知っている人間からすると非常に危ぶまれる状態です。

今度はどうなるのでしょう?一人一人の選択が影響します!
 下水道とディスポーザーを使った生ごみ処理システムがコスト的にも衛生面・分別収集の面からも優れていることは米国の例や過去の政府の調査資料からも明らかで論を待ちません。水が非常に貴重で気温が比較的低い西欧ではこの仕組みはあまり馴染みませんが比較的温暖で水源にも恵まれている日本ではマッチした仕組みでしょう。
 国土交通省下水道部が、下水道による生ごみの受け入れを積極的に始めるのは地方の下水道設備からでしょう。都市部については、相当な先になることでしょう。これにはごみ処理の予算を下水道に回すことになるのでお役所や企業を含め多くの紆余曲折が予想されます。
 これらの動きを左右するのはやはり一人一人の消費者の方が何を求めるかによります。お役所により生かされている時代ではありません。一人一人が正しい知識を得て選択することでよりよい社会を作る段階に日本は来ているのではないでしょうか??ディスポーザーについてもご一考を!!