2.5 サプリメントの知識

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59.セレン(セレニウム)

 セレンは、抗酸化剤や免疫強化作用、金属や化学物質の解毒などで、このところぐんぐん知名度が上がってきましたが、必須ミネラルとして認められるようになってから比較的日が浅く、まだ十分に解明されていないところが残されています。

〔1日の所要量(RDA)〕
成人は、70mcg

〔作用〕
 最も注目されているセレンの作用は、抗酸化物質としてビタミンEと一緒に働いて(抗酸化ネットワーク)、活性酸素(フリーラジカル)の発生を抑えるところです。その結果、免疫組織が守られ、細胞の老化を遅らせてくれます。心臓病や脳卒中を予防し、甲状腺ホルモンの働きを活発にします。ガンの発生も防止するので、アメリカでの調査で、土壌にセレンがわずかしか含まれていない地域ではそうでない地域に比べて各種のガンの発生率が高いという、驚くべき結果が出ています。
 ほかに、老化に伴ううつ状態を改善します。
 また、ヒ素、カドミウム、水銀などの毒性のある物質と結びついて、その毒性を弱め排出します。
 セレンは男性にとっては女性以上に重要なミネラルです。睾丸や精液に多く含まれていて、精子の数を増やすと言われているからです。女性の場合にも、更年期の障害を和らげてくれます。不足すると白内障、心筋梗塞、男性の生殖能力の低下などを招きます。

〔危険性〕
 セレンを摂りすぎると脱毛や頭痛、吐き気等の症状が起こります。わずかの量で十分に働いてくれるミネラルで通常の健康状態なら過剰にとる必要のないミネラルです。ガンやHIV(エイズ)の治療に大量のセレンを投与する方法が注目されていますが、このような場合は言うまでもなく医師の処方が必要です。妊娠中は摂らないようにしましょう。

〔豊富に含む食品〕
 ブラジルナッツ、魚(イワシ、マグロ、わかさぎ)、牛肉、レバー、貝類(あさり、牡蠣、ウニ)、玄米、小麦胚芽、海藻、ほうれんそう、にんにく、タマネギ、トマト、柿。

〔ポイント〕
 セレノメチオニンがもっとも優れた形態だと考えられています。この場合は吸収上、ビタミンCと競合しませんが、イーストセレンなどの他の形態は、ビタミンCととるときは30分程度時間を空けたほうが良いでしょう。ビタミンAと一緒に摂ると、セレンの吸収が良くなります。


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